応募写真52
ぼくの仕事は線香に火をつけることだよ
私の実家の墓参りに息子が小さい時から連れて行ってました。
抱かれていただけの息子がいつしかお墓近くを歩くようになり「まんまん」と手を合わせるようになります。
大人たちがお墓に水をかけたり洗ったりする横で虫を見つける息子が「ぼくがお線香に火をつけるよ。自然体験教室でたき火をするからできるよ。どうすればいい?」と聞いてきます。
すぐにろうそくに火をつけて新品の線香を渡します。
「全ての線香に火がつくようにじっと待つんだよ。急に手を離したらやけどするかもしれないから気をつけてね」と伝えて息子の様子を見守ります。
「火がついた。煙が出とるね。大丈夫?」とドキドキしているようです。
途中で怖くなったのか「もう辞める。代わって」と言うのでタッチ交代です。
全ての線香に火をつけて3つあるお墓に分けていきます。
「ご先祖様もあさくんが線香に火をつけたけぇびっくりしとるね」と伝えると、「びっくりしちゃったね。
子どもなのに線香に火をつけるけぇ」と嬉しそうです。
一人っ子だった息子は二人兄妹になりました。
息子と娘がお墓参りをしてます。
娘も大きくなったら線香の火付けをするのかなと今でも楽しみです。