応募写真1
みんなで来ましたよ
祥月命日、命日、盆暮れ正月両彼岸、忌日法要や年忌法要。
今まで、どれだけお墓に手を合わせ、この先、どれだけお墓に手を合わす事が出来るのだろう。
お墓には、母の祖父母、母の姉、母の父母、母の夫が眠っている。
同じ屋根の下で、時代を共に生きた家族を順に見送り、ひと昔前には“そこに眠ってなんかいない”と言う歌も流行ったけれども、母は、そこに会いに行く。
お掃除をして、お水やお花をあげて、「みんなで来ましたよ」と呟きながらお線香を焚く。
足元の悪い墓地参道を、シルバーカーを押しながら、ゆっくり歩く母たち。
その家に生きた証を後世に繋ぐひとりとして、私も小さな頃から母に連れられて来た。
あいにく結婚もせず、子孫も残さなかった親不孝者だけれども、せめて写真で、そんな尊い光景を残したおこうと収めた1枚。