応募写真86

つながる命

今年の3月15日は祖母の10回目の命日でした。
ばあちゃんっ子だった私と祖母に苦労して育てられた母は祖母への気持ちが人一倍強く、祖母が亡くなって数年は毎月の墓参りも欠かさないほどでしたが、年月が経つにつれ、ここ数年はお盆の墓参りのみになっていました。
高齢になり、物忘れもひどくなった母はどこに出かけるのも面倒がるようになってしまいましたが、今年は10回目の命日です。久しぶりに「ばあちゃんの墓参り行くよ!」と声をかけるとそれなら出かけようという気持ちになるようで・・・。
車で1時間ほどかかるところにある墓地には8年前に結婚した夫が連れていってくれました。私の6歳の息子と2歳になったばかりの娘も一緒です。
墓地に着いたらまず墓石を拭きあげます。
私はいつも墓石を磨いているとスーパー銭湯が大好きでよく一緒に行っていたのですが、祖父母を洗ってあげているかのような気持ちになります。
それから花立のお水を取り替えお花を供えます。
これは何度か一緒に行っている息子の役目になりました。
そして幼子がいるのでよーく注意してお線香をあげます。
そして火の番をしながら順番におまいりです。
ばあちゃん、直接ひ孫に会わせてあげることはできなかったけど、こうしてばあちゃんの命はつないでいるよ。
戦争中、原爆にもあいながら大変な思いを抱えて生きてくれたばあちゃん、きっとひ孫にも大切な思いをたくさん伝えるからね。

広島県 40代 女性