応募写真51
「会いに来てくれたのね。ありがとう。」
中学三年、15才。
末っ子の息子に頼まれ、空手の稽古終わりに、40年前に亡くなった母のお墓参り風景。
「無事、中学を卒業し、高校も決まりました。そして、勇気を出し、二年ぶりの試合に出ます。どうぞ見守っていてください。」
そう報告しているのだと思います。
母がお墓の中で一人寂しがらぬようにと、父は私を頻繁にお墓へ連れて行きました。
「会いに来てくれたのね。ありがとう。」
母の声が聞こえるようで。
帰りにはいつも、不思議と心が穏やかになっていた記憶。
そのおかげでお墓は、亡き母と心を通わせる事が出来るかけがえのない場所となりました。
今度は私が、子供達に伝えていく番ですね。
父の深い愛と優しさと想いを、次世代にしっかり繋いでいこうと思います。
この風景と同じように、まだ見ぬ孫が会いに来てくれますようにと、願いを込めて。