応募写真67

 

合掌

私たち親が自営業のため、おじいちゃんおばあちゃんに夜預ける事が多かったので、息子はとてもおじいちゃん子だった。
そのおじいちゃんがガンだと分かったのは息子が2年生の時だった。
何度も入退院をくりかえす祖父をいつも息子は心配していた。
しかし病気にはかなわず、病院で息を引き取った。
しばらくの間、息子は元気がなかった。
2年生の息子にとって、初めて身近で感じた死だった。
しかし、毎朝祖父の遺影に「いってきます!」と声を掛け、学校であったことを報告するのが日課になり、徐々に元気を取り戻して行った。
あれから2年がたち、息子も4年生になった。
今は月に1回のお墓掃除も進んでやってくれて、最後にしっかり合掌し、天国の祖父に挨拶をしてくれる。
頼もしくなった息子の姿を祖父も見守っていてくれるといいな。