応募写真79
撃針
今年の2月、友人達と観光で高野山に訪れた時の写真です。
雪が見たかったからという安直な目的で来訪しましたが、雪に覆われた高野山は想像していたより遥かに荘厳であり、幻想的であり、大学生である私にとって、その景色は今まで見たことが無いほど美しく、心を打たれたのです。
この雰囲気をどうにか写真に残したいと思い撮影した一枚を、今回コンテストで応募させていただきました。
高野山は真言宗と呼ばれる宗派の総本山です。
真言宗には「56億7000万年後に弥勒菩薩が人間界に生まれ、釈迦滅後の世界を救う」という考え方があり、その光景をより近くで見るために高野山にはたくさんのお墓があるのです。
私は仏教の文化には詳しく無かったので、お墓は現在と切りさなされた「過去」を連想させるものと思っていました。
しかし、高野山に建てられたお墓は、未来に向けて意味を持っており、それがとても神秘的に思えました。
お墓は、過去に生きた人間と、現在を生きる人間、これから生を宿す未来の人間の全てに繋がり、想いを紡いでいくものだと知りました。
私はまだ20歳ですが、これから先、色んなことを経験していくのだと思います。
しかしそれは、今までの人生で繋がってきた縁であり、現在の私に起因するものでもあるのです。
これからの「未来」のために、今を精一杯、全力で生きていこうと思いました。